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シェイクスピア『お気に召すまま』解説あらすじ

シェイクスピア
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始めに

 シェイクスピア『お気に召すまま』解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

出典

 『お気に召すまま』の直接の出典はトーマス・ロッジの『ロザリンド』で、この物語は「ガムリンの物語」に基づいています。

 ガムリンの物語は、父の死後、遺産を騙し取ろうとする邪悪な兄に預けられた弟の物語ですが、本作ではガムリンはオーランドー、その兄はオリバーやフレデリックが該当する感じです。

 簒奪した公爵と亡命公爵は、『尺には尺を』と『テンペスト』のテーマとなっています。

ジェンダー

 本作は異性装のモチーフが展開されます。異性装は『ヴェニスの商人』『十二夜』でも描かれます。

 主人公のロザリンドは、少年に変装し、そこで田舎者のフィービーという女性から惹かれます。

場所

 アーデンは、シェイクスピアの故郷であるストラトフォード・アポン・エイヴォンと、現在のウェスト・ミッドランズに相当する地域を示す森です。

 また『愛するオルランド』に登場するフランスのアーデンの森も影響があるとされます。『愛するオルランド』と『狂えるオルランド』は、この劇への影響が顕著です。

 オルランド神話では、アーデンの森はマーリンの泉のある場所です。マーリンの泉は、そこから飲むと恋が冷める魔法の泉です。

パストラル

 ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『お気に召すまま』は田園ロマンスのジャンルです。狭義のパストラルは、田園の理想郷を舞台として牧人たちが恋の歌を競い合う韻文ですが、やがてパストラルロマンス、パストラルドラマといった、散文による田園地帯におけるメロドラマが定着していき、本作もその中に位置づけられます。

 全体的にこのジャンルの様式を踏まえつつ、シェイクスピア独自の意匠を加えています。

物語世界

あらすじ

 フレデリックは公爵領を奪い、兄のシニア公爵を追放してしまいます。シニア公爵の娘ロザリンドは、フレデリックの一人娘シーリアの親友であったので、宮廷に残ることを許されていました。

 ロザリンドに一目惚れした王国の若い紳士オーランドは、兄のオリバーに迫害され、家から逃げます。

 フレデリックはなぜか怒り、ロザリンドを宮廷から追放してしまいます。シーリアとロザリンドは、宮廷道化師のタッチストーンに付き添われ、ロザリンドは若者に、シーリアは貧しい少女に変装して逃げます。


 ガニミード(「ジュピターの従者」)に変装したロザリンドと、アリエナに変装したシーリアは、追放された公爵が、鹿の虐殺を嘆き悲しむ不満分子「憂鬱なジャック」たちとともに暮らすアルカディアの森、アーデンに到着します。「ガニミード」と「アリエナ」は、貧しい借家人であるコリンに会い、彼の主人の粗末な小屋を買いたいと申し出ます。

 一方、オーランドーと召使のアダムは、公爵とその部下を見つけ、すぐに彼らと一緒に暮らし、ロザリンドへの単純な愛の詩を木に貼りつけますオーランドーに恋するロザリンドは、ガニミードとしてオーランドーに会い、恋をやめるよう助言するふりをします。ガニミード(ロザリンド)は、「自分」がロザリンドの代わりになると言います。

 シルヴィウスが恋している羊飼いの女フィービーは、ガニミード(ロザリンド)に恋をしているものの、「ガニミード」はフィービーに興味がありません。一方、タッチストーンは、頭の鈍い羊飼いの女オードリーに恋をしており、彼女を口説こうとするものの、結局、先に結婚させられます。もう一人の羊飼いのウィリアムもオードリーと結婚しようとするものの、タッチストーンに止められ、「150通りの方法で」殺すと脅されます。

 最後に、シルヴィウス、フィービー、ガニミード、オーランドは集まり、ガニミードは、オーランドにロザリンドと結婚することを約束させ、フィービーはガニミードと結婚できない場合はシルヴィウスと結婚することを約束させます。

 オーランドは森の中でオリバーを見かけ、雌ライオンから彼を救い出します。これによりオリバーはオーランドへの行動を悔い改めます。オリバーはアリエナ(シーリア)と出会い恋に落ち、結婚することにします。

 オーランドとロザリンド、オリバーとシーリア、シルヴィウスとフィービー、タッチストーンとオードリーは最後の場面で結婚します。その後、彼らはフレデリックもまた過ちを悔い改めます。いつも憂鬱なジャックは宮廷に戻るようという彼らの誘いを断り、森に留まり信仰深い生活を送ることを選びます。

 最後にロザリンドがエピローグを述べ、観客の男女両方にこの劇を推薦します。

参考文献

・高橋 康也 (編集)『研究社シェイクスピア辞典』

・倉橋健 編『シェイクスピア辞典』

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