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シェイクスピア『ハムレット』解説あらすじ

シェイクスピア
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始めに

シェイクスピア『ハムレット』解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

アムレートの伝説

 『ハムレット』はハムレット伝説という北欧の伝説が元で、デンマークの歴史家サクソ・グラマティクスが書いた『デンマーク人の事績』にハムレット王子の原話があり、モデルになったアムレートのことが書かれています。

 アムレートはハムレットとは結構違っていて、叔父フェンギによりデンマーク王の父ローリクを殺されてその復讐をすることは同じなのですが、その復讐には無事に成功します。その後、ローリク王の死後に王となっていたヴィグレークに戦いを挑んだものの、ユトランドでの戦闘で亡くなります。

他の起源

 シェークスピアに直接影響を与えたのは、イギリスの劇作家トマス・キッドが書いた『スペインの悲劇』という戯曲とされます。殺人犯を罠にかける劇中劇や復讐を囁く幽霊などのモチーフを拝借しています。

 そちらでは始まる前、ポルトガル総督がスペインの支配に反乱を起こします。ポルトガル軍は敗れ、総督の息子バルタザールがスペイン軍将校アンドレアを殺害した後、スペイン軍の捕虜となります。アンドレアは幽霊となり、復讐を囁きます。国王の甥ロレンゾの妹ベルインペリア(アンドレアの元恋人)とアンドレアの親友ホレイショは、アンドレアの復讐をしようとして、ホレイショの父で元帥のヒエロニモによって、最終的にアンドレアの復讐がなされます。

 また「原ハムレット」と呼ばれる現存しない戯曲があって、『ハムレット』の直接の下敷きとされます。

物語世界

あらすじ

 王が急死し、王の弟クローディアスは王妃と結婚し、後継者としてデンマーク王になります。

 父王の死と母の再婚に消沈する王子ハムレットは、従臣から亡き王の亡霊が毎夜エルシノアの城壁に現れるという話を聞き、それを確かめようとします。父の亡霊に会ったハムレットは、父の死はクローディアスによる毒殺だったと告げられます。

 復讐を誓ったハムレットは狂気を装います。王と王妃は戸惑うものの、宰相ポローニアスは、それを娘オフィーリアへの恋ゆえだと考えます。父の命令で探りを入れるオフィーリアを、ハムレットは邪険にします。

 やがて王が父を暗殺した証拠を掴んだハムレットですが、母である王妃と会話しているところを隠れて盗み聞きしていた宰相ポローニアスを、王と誤って刺殺します。

 宰相の娘オフィーリアは悲しみのあまり狂い、溺死します。宰相ポローニアスの息子レアティーズは、父と妹の仇をとろうとします。

 王は、復讐心を持ったレアティーズと結託し、毒剣と毒入りの酒を用意して、ハムレットを剣術試合に招き、暗殺しようとします。しかし試合中、王妃が毒入りの酒を飲んで死に、ハムレットとレアティーズ両者とも試合中に毒剣で負傷します。

 レアティーズから真相を聞かされたハムレットは、王を殺した後、事の顛末を語り伝えてくれるよう親友ホレイショーに言い残し死にます。

参考文献

・高橋 康也 (編集)『研究社シェイクスピア辞典』

・倉橋健 編『シェイクスピア辞典』

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