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鴎外『雁』解説あらすじ

森鴎外
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始めに

 鴎外『雁』解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

高踏派の作家

 森鴎外は、高踏派の作家とされています。

 これは“l’école parnassienne”の,上田敏の訳語で『現代高踏詩集』(Le Parnasse contemporain)の詩人のことです。芸術のための芸術たる芸術至上主義を唱道したゴーティエとルコント・ド・リールの下に詩人集い、この詩華集が刊行されたのでした。

 鴎外もこうした詩人の翻訳を手がけて影響されたため、高踏派と呼ばれます。

 高踏派は傾向としてロマン主義、象徴主義の特徴があり、主知主義的な理想主義をテイストとしています。

 本作も、象徴主義的な、象徴をギミックとして効果的に用いた作品です。

語りの構造

 本作は岡田という医学生への、末造の妾であるお玉の恋と失恋を描く内容です。

 ここで岡田の友人が語り手となっていて、またお玉と末造の馴れ初め、末造と妻との諍いなども含めて、過去のお玉の恋の周辺の事情を、あとから後置的に物語るデザインになっています。

象徴としての雁

 本作では、雁という動物のモチーフを象徴として作用させていて、志賀直哉「城の崎にて」やチェホフ「かもめ」を連想させます。

 本作では、戯れに投げた石が当たることで、雁が死んでしまいます。この雁は、偶然から失恋してしまうお玉を象徴する存在になっています。

物語世界

あらすじ

 1880年、高利貸し末造の妾・お玉が、医学を学ぶ大学生の岡田に恋し、末造の来ない日に一人で家にいて、散歩に来る岡田を待ちます。

 いつも一人で散歩する岡田は、その日の下宿の夕食が偶然、語り手の「僕」が嫌いなサバの味噌煮だったために、「僕」と散歩します。

 途中不忍池で、投げた石が雁に当たって死んでしまいます。二人は無縁坂の中途にあるお玉の家の前を通るものの、岡田が一人ではないため、お玉は想いを伝えられません。

 そのまま岡田は洋行するのでした。

参考文献

・小堀桂一郎『森鴎外: 日本はまだ普請中だ』

 

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