PR

坂口安吾「風博士」解説あらすじ

坂口安吾
記事内に広告が含まれています。

始めに

 坂口安吾「風博士」解説あらすじを書いていきます。

語りの構造、背景知識

ロマン主義、象徴主義

 坂口安吾は、本作「風博士」を牧野信一に褒められ、島崎藤村と宇野浩二などにも認められ、作家として知られるようになりました。

 その作家性は広くロマン主義、古典主義、象徴主義から影響を受けていて、作家単位では谷崎潤一郎、芥川龍之介、石川啄木、島崎藤村、北原白秋、佐藤春夫、正宗白鳥、葛西善蔵、有島武郎、宇野浩二、牧野信一、バルザック、チェーホフ、ポー、ボードレール、モリエール、ヴォルテール、ボーマルシェなどを好み影響されています。

 安吾は1947年に「二十七歳」で、本作は愛読していたポーの「ボンボン」「Xだらけの社説」に倣ったものであり、この種のファルスを除外して、「アッシャー家の没落」などを評価するボードレエルへの意趣返しである旨を語っています。

 他方でその「ボンボン」「Xだらけの社説」とは内容的にはかなり異なり、「Xだらけの社説」では抗争が巻き起こすドタバタなど若干の共通性が見出せるものの、プロットは重なりません。それでもナンセンスな喜劇性は共通します。

語りの構造

 風博士の自殺を偽装した嫌疑をかけられている語り手でその弟子が、蛸博士との確執により風博士が自ら死を選んだこと、風博士が消えた状況から自殺は明白であること、最後にインフルエンザになったことなどを語る様を描きます。

 ポー「告げ口心臓」のような、饒舌で信頼できない語りが展開されます。

 弟子は風博士の最期について、博士は書斎で風になって消え、しかもこの日、蛸博士はインフルエンザ(風邪)に犯された、と語るものの、どこまでが妄想で真実なのか、判然としません。病の擬人的表現はポー「赤死病の仮面」とも重なります。

物語世界

あらすじ

 語り手は風博士と呼ばれる先生の弟子である「僕」です。「僕」は、風博士が自殺し、その件にで警察に疑いをかけられていると話します。しかもその自殺に蛸博士という人物が深く関わっているらしく、風博士の遺書を見て欲しいと読者に語りかけます。

 風博士の遺書には蛸博士への悪口が綴られ、蛸博士は髪の毛が薄い、自分が踏んで転んだバナナの皮は蛸博士が置いたはずだ、自分の妻を奪ったのは蛸博士だ、自分の方が彼よりかっこいい、などと揶揄します。そして風博士は蛸博士を困らせようと鬘を盗んだものの、しかし蛸博士は別の鬘をかぶって現れ、そのために風博士は自殺を決意したそうです。

 遺書が終わり、弟子は風博士の最期について読者に教えます。博士は書斎で風になって消えたというのです。

 しかもこの日、蛸博士はインフルエンザ(風邪)に犯されたというのです。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました