はじめに
コクトー『オルフェ』解説あらすじを書いていきます。
背景知識、語りの構造
古典主義、心理主義、モダニズム
コクトーは、ジャン=ロラン、ワイルド、ロスタン、ダンヌンツィオ、ミュッセ、ボードレール、ヴェルレーヌ、フルニエ、スタンダール、ラファイエット夫人、コンスタンなど、古典主義、ロマン主義、象徴主義、心理小説から影響を受けました。
特にフルニエ『モ―ヌの大将』、ラファイエット夫人『クレーヴの奥方』、スタンダール『パルムの僧院』、コンスタン『アドルフ』を評価し、その古典的スタイルに影響されました。
ジッドとも親しくし、そのモダニズムや心理劇に影響しました。
オルフェウス神話
本作はオルフェウス神話がもとです。
オルフェウスはギリシア神話に登場する音楽家で、竪琴の名手としてあらゆる存在を魅了する力を持っていました。オルフェウスは美しいニンフのエウリュディケを妻に迎えるものの、結婚直後に彼女は毒蛇に噛まれて命を落とします。
深い悲しみに沈んだオルフェウスは竪琴を携えて冥界へ下り、死者の国の王ハデスと女王ペルセポネを音楽で動かし、エウリュディケを地上に連れ戻す許しを得ます。ただし、その条件は「地上に出るまで決して振り返らないこと」でした。ところが出口間際、不安に耐えきれず振り返ってしまったため、エウリュディケは再び冥界へ引き戻され、永遠に失われてしまいます。
愛を取り戻せなかったオルフェウスは世をはかなんで音楽だけに生きるようになり、やがてディオニュソスの信女たちの怒りを買って殺されます。死後、彼の竪琴は天に昇り、琴座として星座になったと伝えられます。
物語世界
あらすじ
舞台はトラキアにあるオルフェウスとエウリュディケの邸宅。左の壁には鏡があり、舞台後方にはニッチから白馬が突き出ています。
劇が始まると、オルフェウスは馬が蹄で叩き出すメッセージを解釈しようとします。エウリュディケは、超自然的な馬に嫉妬するのでした。オルフェウスは、馬が世界のあらゆる詩よりも驚くべき未知の言葉をもたらすと答えます。
馬がオルフェウスのために叩き出す詩は「マダム・エウリュディケ・レヴィエンドラ・デス・エンフェルス」(「マダム・エウリュディケは地獄から戻ってくる」)というものです。オルフェウスはこの詩をコンテストに応募するものの、審査員は単語の頭文字が「MERDE」(糞)と綴られることに激怒します。
オルフェウスが競技に参加している間に、エウリュディケはかつての友人であるバッカスの娘たちに殺されます。戻ってきたオルフェウスは、彼女を死から救うことを決意します。
天使ウールテビーゼの指示で鏡を通り抜け、エウリュディケを生き返らせるものの、彼女を見ることを許されていないため、一緒に暮らすことは不可能でした。
バッカスの娘たちは、オルフェウスが卑猥な詩を提出したと主張して再び彼を悩ませます。オルフェウスは娘たちに首をはねられ、エウリュディケは彼を鏡の中へ連れ戻します。
天使はオルフェウスの首を台座に置き、そこで警察の質問に答えて、それがジャン=コクトーであると告げ、コクトーの住所をアンジュー通り10番地と伝えるのでした。




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