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コンスタン『アドルフ』解説あらすじ

コンスタン
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始めに

 コンスタン『アドルフ』解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

語りの構造

 本作は導入パートがあり、外枠の作者が旅行中に出会った青年アドルフの手記という形式でテクストが綴られます。なので語り手は手記の書き手アドルフです。

 アドルフの恋愛経験が、回想形式で物語られます。

 このあたりは18世紀フランス文学に多く見られるようなロマンメモワールの傾向が見えます。

モデル?

 ヒロインのエレノールはスタール夫人をはじめコンスタンが関係した複数の女性をモデルにしています。

 けれども、アドルフはコンスタンの分身というものでもなく、あくまでも自伝的背景を持っているというレベルです。

心理小説

 本作は心理小説の代表作とされます。

 登場人物の内面的と、そこから発展する行動を中心に描くジャンルとされていて、ラファイエット夫人『クレーヴの奥方』などが他によく知られます。

 本作はエレノールとの恋愛におけるアドルフの心理を精緻に描きます。

 

物語世界

あらすじ

 語り手のアドルフは、政府の大臣の息子です。幼いころから内向的だったアドルフの憂鬱な思考は、年配の友人との交流によって形成されます。

 小説の冒頭で、アドルフは22歳で、ゲッティンゲン大学での勉強を終えたばかりです。アドルフはドイツのドナウに旅行します。滞在中に、アドルフは不愉快な機知に富んだ人物という評判を得ます。友人に触発されて、アドルフは、ドナウ伯爵の32歳の恋人で美しいポーランド人難民のエレノールを誘惑します。誘惑は成功し、二人とも恋に落ちますが、二人の関係は周囲の人々から孤立するほど熱烈なものになります。

 やがてアドルフは、エレノールのために将来の可能性を犠牲にしていることに気づき、不安になります。エレノールは滞在を 6 か月延長するよう説得しますが、アドルフと口論になります。エレノールは伯爵に 2 人の子供を残してアドルフのもとへ行き、決闘で負傷したアドルフの面倒を見るうちに、アドルフは彼女に深い恩義を感じます。

 アドルフがディエゴの町を去ると、エレノールも彼を追いかけますが、アドルフの父によって故郷から追い出されます。アドルフは激怒し、二人は彼女が新たに取り戻したポーランドの領地へと旅します。

 しかし、父の友人であるティエゴ男爵がアドルフを操り、自分のキャリアのためにエレノールと別れることを約束させます。その約束が書かれた手紙がエレノールに転送され、ショックで彼女は死んでしまいます。こうしてアドルフは人生に興味を失いました。

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