PR

ポー「早すぎた埋葬」解説あらすじ

エドガー=アラン=ポー
記事内に広告が含まれています。

始めに

 ポー「早すぎた埋葬」解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

ドイツロマン主義の影響

 ポーはドイツロマン主義からの影響が顕著です。具体的にはホフマン、シラー、ゲーテ(『ファウスト』『若きウェルテルの悩み』)などの作品から影響を受けました。

 ポーにはそこから幻想文学作品も多いですが、本作はそうした要素は希薄です。

 ポーの作品では死者の復活はしばしば幻想的主題として現れますが、本作は生きながら埋葬されることへの語り手の恐怖を描く内容です。

 また、ゲーテ『若きウェルテルの悩み』など、語り手や視点人物の内的世界の混乱、混沌はシェイクスピアなどより継承する、ロマン主義文学に典型的モチーフですが、本作も語り手の強迫観念を描く内容です。

 またホフマンは『砂男』で信頼できない語り手を導入し、ポーもこれを得意としました。

ゴシック文学の系譜

 作家ホレス・ウォルポールの『オトラント城奇譚』がゴシック小説の先駆となり、以降はこのジャンルが連綿と継承されました。

 ポーもこの『アッシャー家の崩壊』など、このジャンルを代表する作品を多く手掛けたほか、本作もゴシック小説や墓地派を思わせる暗いムードやグロテスクな要素が特徴的です。

物語世界

あらすじ

 語り手はまず、小説の主題とするにはあまりにも恐ろしすぎることがあるものだ、と語ります。例えばロンドンの黒死病やリスボン大地震、サン・バルテルミの虐殺などですが、そうした集団への悲劇に対して、個人としての人間への苦痛のうち最も恐ろしいのは、生きているうちに埋葬されることだと話します。

 語り手は仮に「全身硬直症」と呼ばれる、原因不明の持病を持っていました。その病は一度発作が起こると昏睡状態となり、全身は硬直し、時にはそれが何ヶ月も続いて、死体のようになります。このために生きたまま埋葬されることを恐れ、語り手は友人たちにこの病気を説明し、このような状態になっても埋葬しないように頼んでいました。また自宅の地下納骨堂を整備し、そこに空気や光が通り容易に出られるようにしたり、外へ合図するための鐘を取り付けたりと、入念に備えていました。

 あるとき、語り手は暗く狭い場所で目覚め、生きながら埋葬されてしまったのだと思います。そして取り付けた装置を思い出して暗闇を探るものの、どこにもありません。ここは自宅の納骨所ではないようです。語り手が大声を出すと、周りから人の声が聞こえて、語り手はこれまでの経緯を思い出します。

 自分は友人と猟に出かけ、暴風雨に遭い、近くに停泊していた船の部屋で泊まったのでした。狭い寝台の中に寝ていたために、自分が棺桶の中にいると誤解したのでした。

 この出来事のあと、語り手は死への恐怖を捨て、発作はぴたりと止んだのでした。

参考文献

・佐渡谷重信『エドガー=A=ポー』

コメント

タイトルとURLをコピーしました