始めに
ホフマン「砂男」解説あらすじを書いていきます。
背景知識、語りの構造
ロマン主義
ホフマンはドイツロマン主義の作家です。
ルソー、スウィフト、スモレット、ゲーテ、スターン、ジャン=パウル、シラーの影響が大きく、そのロマン主義と幻想文学を形成します。
また、後にはティーク、ブレンターノ、ノヴァーリス、ヴィルヘルム、カルデロンに影響されます。
音楽の素養もあり、『牡猫ムルの人生観』のリスコフのモデルポドビエルスキーから、少年期に指導を受けています。
タイトルの意味
主人公のナタナエルは幼い頃に母親や婆やから、眠らない子供の目玉を奪っていく砂男の話を聞かされ、その実在を信じるようになり、これがタイトルの由来です。そして父のもとをたびたび訪れる不気味な老弁護士コッペリウスこそ砂男と確信します。ある日コッペリウスが父のもとを訪れたとき、父の書斎で謎の爆発が起り、父は焼死、コッペリウスは行方不明になります。そしてナタナエルが青年となった現在、彼の下宿先にコッペリウスにそっくりの晴雨計売りコッポラが現れ、ナタナエルは不安です。
このコッポラ、コッペリウスの正体は謎に包まれていて、ただのナタナエルの妄想なのか、それとも特異な存在なのかは暗示的です。最後も、ナタニエルが狂気に陥り転落死した際、なぜかそこに死んだはずのコッペリウスが現れます。
語りの構造
作品の前半部は3通の手紙によって構成されています。最初の手紙は主人公ナタナエルから幼なじみのロタールに宛てたもので、自分が気にかかっている「砂男」について説明します。この手紙は宛名を間違え、ロタールの妹でナタナエルの恋人であるクララに届きます。このため2通目はナタナエルを励ますクララからの手紙で、3通目は近況を知らせるナタナエルからロタールへの手紙となります。
後半部はナタナエルの友人と称する物語世界外からの語り手によって、その後のナタナエルのこと(死の顛末まで)が描かれます。
つまり、非線形の語りで、書簡体小説のスタイルと等質物語世界の語り手によるパートが織り交ぜられています。
物語世界
あらすじ
作品の前半部は3通の手紙によって構成されています。最初の手紙は主人公ナタナエルから幼なじみのロタールに宛てたもので、自分が気にかかっている「砂男」について説明します。
ナタナエルは幼い頃に母親や婆やから、眠らない子供の目玉を奪っていく砂男の話を聞かされ、その実在を信じるようになります。そして父のもとをたびたび訪れる不気味な老弁護士コッペリウスこそ砂男と確信します。ある日コッペリウスが父のもとを訪れたとき、父の書斎で謎の爆発が起り、父は焼死、コッペリウスは行方不明になります。そしてナタナエルが青年となった現在、彼の下宿先にコッペリウスにそっくりの晴雨計売りコッポラが現れ、ナタナエルは不安です。
この手紙は宛名を間違え、ロタールの妹でナタナエルの恋人であるクララに届きます。このため2通目はナタナエルを励ますクララからの手紙で、3通目は近況を知らせるナタナエルからロタールへの手紙となります。
後半部は第三者である語り手によってその後のナタナエルのことが語られます。帰省したナタナエルは夢うつつで、ロタールやクララの間で諍いを起こします。ついにナタナエルとロタールとの決闘沙汰になるものの、クララが止めに入りおさめます。
その後ナタナエルが下宿にもどると、その住まいは火事で焼け落ち、代わりにスパランツァーニ教授の向かいにある新たな住居に移り住みます。その住まいに再び晴雨計売りのコッポラが現れ、ナタナエルは恐怖を覚えつつ、コッポラから望遠鏡を買います。その望遠鏡で向かいの窓に見えるスパランツァーニの娘オリンピアを眺めるうち、次第に彼女に恋心を抱きます。
やがてオリンピアへの求婚を決意したナタナエルがスパランツァーニ宅へむかうと、そこでオリンピアを引っ張り合ってスパランツァーニとコッポラが言い争いをしています。オリンピアには目が欠けており、彼女は自動人形だったのでした。スパランツァーニがナタナエルへ目玉を投げつけると、ナタナエルは正気を失い、「まわれ、まわれ」と言いながら失神します。
後日、ナタナエルは家族の介抱を受けて正気になります。ナタナエルは母親と二人の幼なじみとともに別荘に移り住み静かに暮らそうとし、4人で別荘に向かいます。
その際、クララが市庁舎の塔を目に止め、上ってみようと言い出します。塔の上で景色を眺めようとしてナタナエルが望遠鏡を取り出し、それでクララを覗くと、ナタニエルは理性を失いクララを塔から投げ捨てようとします。クララはロタールに助けられるものの、ナタナエルは「まわれ、まわれ」と言いながら塔から転落死します。
騒ぎを聞きつけて集まった人ごみの中には老弁護士コッペリウスの姿があったのでした。



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