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南海遊『永劫館超連続殺人事件 魔女はXと死ぬことにした』感想レビュー

ミステリー
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始めに

南海遊『永劫館超連続殺人事件 魔女はXと死ぬことにした』感想レビューを書いていきます。

ランク
B

基本情報

著者

 南海遊。2014年ごろより、小説投稿サイト「小説家になろう」で活動を開始。2018年、同サイトに投稿していた「傭兵と小説家」を星海社FICTIONS新人賞に投稿、第24回(2018年夏)の星海社FICTIONS新人賞座談会で受賞。翌年、『傭兵と小説家』として刊行、作家デビュー。

あらすじ

 『道連れの魔女』リリィがヒースクリフの瞳を見ながら絶命すると、二人は1日前に戻っていました。
母の危篤を知った没落貴族ブラッドベリ家の長男・ヒースクリフは、3年ぶりに生家・永劫館(えいごうかん)に帰るものの、母の死に目には会えず、葬儀と遺言状の公開を取り仕切ります。
 葬儀の参加者は11名。ヒースクリフ、最愛の妹、叔父、従兄弟、執事長、料理人、メイド、牧師、母の親友、名探偵、そして魔女。
 大嵐による陸の孤島の永劫館で起こる、最愛の妹の密室殺人と魔女の連続殺人の謎に、ヒースクリフが挑みます。

所感

本格として

 全体的に密室とか捨てネタも多くて、特殊設定を前提としたワイダニットがメインです
 ワイダニットは部分的に面白かったんですが、これにシュレディンガーの猫という有名な思考実験が絡む要素があって、このせいで特殊設定のルールが一部煩雑で一貫性に欠いてめちゃくちゃになってしまっています。シュレディンガーの猫は経験科学において別にそんなに深刻な問題でもなくて解決可能なんですが、「事象は重なり合った状態で存在し、観測で事象が収縮する」という発想が奇想としては面白いのでSFのネタにされがちです。このシュレディンガーの猫にからむ並行世界に関する世界観の説明が事前にほとんど明示されず、終盤にさらっと出てきてもルールとしてあやふやかつ説明不足すぎて大半の読者は置いてけ堀です。
 小林泰三『酔歩する男』みたいな奇想さえ楽しめれば満足という人も多いでしょうが、まじめに取り組んだ人ほどシュレディンガーの猫がらみの説明でしょい投げを食らうと思います。
 特殊設定のワイの一部は結構よかったのですが、ミステリとしてはフェアネスに欠いていて、SF的奇想とメロドラマ中心の内容です。

文章

 文章はライトノベルっぽい雰囲気で、ゴシック文学っぽいテイストもあって、キャラ名も『嵐が丘』からそのまま引っ張ったりしています。桜庭一樹みたいなキツさを感じました。

 個人的にはちょっとコテコテで苦手なスタイルでした。

コメント

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