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ポー「告げ口心臓」解説あらすじ

エドガー=アラン=ポー
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始めに

 ポー「告げ口心臓」解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

ドイツロマン主義の影響

 ポーはドイツロマン主義からの影響が顕著です。具体的にはホフマン、シラー、ゲーテ(『ファウスト』『若きウェルテルの悩み』)などの作品から影響を受けました。

 ポーにはそこから幻想文学作品も多いですが、本作においては謎の奇病という『アッシャー家の崩壊』などの他の作品でも好んで用いたモチーフが使われています。

 また、ゲーテ『若きウェルテルの悩み』など、語り手や視点人物の内的世界の混乱、混沌はシェイクスピアなどより継承する、ロマン主義文学に典型的モチーフですが、本作も語り手の強迫観念を描く内容です。

 天邪鬼と脅迫観念から人を殺してしまう展開は「黒猫」と似ています。

 またホフマンは『砂男』で信頼できない語り手を導入し、ポーもこれを得意としました。

ゴシック文学の系譜

 作家ホレス・ウォルポールの『オトラント城奇譚』がゴシック小説の先駆となり、以降はこのジャンルが連綿と継承されました。

 ポーもこの『アッシャー家の崩壊』など、このジャンルを代表する作品を多く手掛けたほか、本作もゴシック小説や墓地派を思わせる暗いムードやグロテスクな要素が特徴的です。

語りの構造

 『告げ口心臓』には「信頼できない語り手」が設定されています。物語の焦点は完全犯罪の計画で、その語りを通じて語り手は自分の正気を証明しようとしますが、それ自体が狂気です。

 語り手は正気であることを証明するために、殺人の罪を認める形になってしまっていて、シニカルなコンセプトが見て取れます。

 語り手は老人と一緒に家の中で暮らしています。語り手はその老人を愛しており、不当な扱いを受けたことがないと語るものの、老人の目を嫌悪しており、ついには老人を殺すことを企てます。殺したものの、語り手は激しい音に恐怖し、警察官たちは心臓の鼓動だけでなく、自分が犯人だと気付いていると妄想します。そして取り乱して罪を告白し、死体は床下にあると叫ぶのでした。

物語世界

あらすじ

 無名の語り手は自身が正気であると主張するものの、神経性の病気で感覚過敏になっています。

 語り手は老人と一緒に家の中で暮らしています。語り手はその老人を愛しており、不当な扱いを受けたことがないと語るものの、老人の目を嫌悪しており、ついには老人を殺すことを企てます。

 語り手は殺人の際にいかに慎重だったかを強調し、それが正気である証拠だといいます。語り手は7日間、夜に老人の部屋のドアを開けて、ランタンで眠る老人の目に光を当てました。しかし、老人の目はいつも閉じられていたのでした。

 8日目の夜、語り手は手を滑らせて物音を立ててしまい、老人が目覚めます。語り手はしばらく後にランタンを開けようとします。一筋の光が老人の目に差して、その目が見開かれていると分かります。語り手は老人の心臓の鼓動の音を耳にし、心音は徐々に大きくなり、語り手の不安が増します。ついには老人を襲い、殺します。その後、語り手は老人をバラバラに解体し、床下に隠してしまいます。しかし、老人が夜間に悲鳴を上げたので、隣人が警察に通報していました。

 語り手は警察官たちに家を調べさせます。語り手は隣人が聞いた悲鳴は自分が悪夢を見たときの叫び声だと伝え、老人は故郷にいて留守だと話します。語り手は椅子を持ってきて、老人の部屋で警察官たちを座らせます。椅子は死体がある真上に置かれています。

 やがて語り手は不安を感じ始め、耳鳴りが聞こえます。耳鳴りが徐々に大きくなり、語り手は耳鳴りに対して床下から老人の心臓の音が聞こえていると考えます。音は着実に大きくなるものの、警察官たちには聞こえていません。

 語り手は激しい音に恐怖し、警察官たちは心臓の鼓動だけでなく、自分が犯人だと気付いていると妄想します。そして取り乱して罪を告白し、死体は床下にあると叫ぶのでした。

参考文献

・佐渡谷重信『エドガー=A=ポー』

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