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ポー「黒猫」解説あらすじ

エドガー=アラン=ポー
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始めに

 ポー「黒猫」解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

ドイツロマン主義の影響

 ポーはドイツロマン主義からの影響が顕著です。具体的にはホフマン、シラー、ゲーテ(『ファウスト』『若きウェルテルの悩み』)などの作品から影響を受けました。

 ポーにはそこから幻想文学作品も多いですが、本作も黒猫が幻想的に、印象的なモチーフとして用いられています。

 また、ゲーテ『若きウェルテルの悩み』など、語り手や視点人物の内的世界の混乱、混沌はシェイクスピアなどより継承する、ロマン主義文学に典型的モチーフですが、本作も語り手の強迫観念を描く内容です。

 またホフマンは『砂男』で信頼できない語り手を導入し、ポーもこれを得意としました。

ゴシック文学の系譜

 作家ホレス・ウォルポールの『オトラント城奇譚』がゴシック小説の先駆となり、以降はこのジャンルが連綿と継承されました。

 ポーも『アッシャー家の崩壊』など、このジャンルを代表する作品を多く手掛けたほか、本作もゴシック小説や墓地派を思わせる暗いムードやグロテスクな要素が特徴的です。

語りの構造

 本作は語り手は少し心理的に不安定な天の邪鬼で、猫や妻を殺してしまいます。

 『告げ口心臓』の語り手と同様ですが、精神を病んでいて、そのためある種の信頼できない語り手になっています。

 語り手の動物への偏愛は、人間の俗悪さに取って代わるもので、その執着の異常性が語りの中で展開されていきます。

物語世界

あらすじ

 語り手は幼い頃から動物好きで、さまざまなペットを飼っていました。若くして結婚していて、妻も動物好きだったため、様々な動物をペットにしていたした。中でもプルートーと名づけられた黒猫は美しく、また語り手になついていました。

 しかし、語り手は次第に酒乱になり、飼っている動物を虐待するようになりました。ある日、プルートーに避けられていると感じた語り手は猫を捕まえて、片目を抉り取ります。当初は後悔したものの、苛立ちなどから、ある朝とうとうプルートーを木に吊るし殺してします。その晩、語り手の屋敷は原因不明の火事で焼け落ちて、彼は財産を失います。唯一焼け残った壁には、首にロープを巻きつけた猫の姿が浮き出ていました。

 その後、良心の呵責を感じた語り手はプルートーに似た猫を探し、ある日酒場の樽の上にそっくりな黒猫を見つけます。彼は黒猫を家に持ち帰り、始めは妻とともに喜び合っていたものの、その猫がプルートーと同じように片目だと気付くと、次第に猫に対する嫌悪を感じます。その猫の胸には大きな白い斑点があり、だんだん大きくなって絞首台の形になっていきました。

 黒猫に耐えられなくなった語り手は、発作的に猫を殺そうとし、妻が止めようとしたのに怒り、妻を殺害します。語り手は地下室の煉瓦の壁に塗りこめて、警察の目を誤魔化すのでした。

 捜査は地下室におよび、露見する気配がないと思った語り手は、調子に乗って妻が塗り込められている壁を叩きます。するとその壁から奇妙な声が聞こえます。それに気付いた警察らが壁を壊すと、直立した妻の死体と、その頭上に座り、目を輝かせたあの猫が現れます。

 語り手は妻とともに猫を壁に閉じ込めてしまっていたのでした。

参考文献

・佐渡谷重信『エドガー=A=ポー』

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