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サン=テグジュペリ『星の王子さま』解説あらすじ

サン=テグジュペリ
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始めに

サン=テグジュペリ『星の王子さま』解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

ロマン主義、象徴主義

 ロマン主義のヴェルヌ、アンデルセン、ユゴー、象徴主義のマラルメ、ヴェルレーヌ、ボードレール写実主義のドストエフスキー、ボードレール、無神論のニーチェなどサンテグジュペリは影響されました。

 特にヴェルヌとアンデルセンに熱中しました。ヴェルヌの乗り物での冒険のプロットや、ロマン主義的テイストから、影響されました。

 アンデルセンは、ロマン主義的な童話で知られ、本作もロマン主義的な、人生の意味や真の幸福をめぐる主題の童話です。

 また象徴主義の寓意性からも本作は影響が顕著で、そのあたりは象徴主義の詩人で童話作家のメーテルリンクを連想します。

見えないものの大切さ

 本作は見えないものの大切さを伝える物語です。操縦士の「ぼく」は、サハラ砂漠に不時着し、そこで星の王子さまと出会います。

 星の王子さまは自分の体験から、大切なものは目に見えないこと、たとえ別れるとしても出会いに価値があることをぼくに伝えます。

 「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているから」というセリフは有名ですが、井戸は目に見えないものの確かに存在するものの重要さを象徴するモチーフです。

物語世界

あらすじ

 操縦士の「ぼく」は、サハラ砂漠に不時着します。1週間分の水しかなく、周囲1000マイル以内に誰もいない場所にて不安な夜を過ごした「ぼく」は、翌日、1人の少年と出会います。話すうちに、少年がある小惑星からやってきた王子であることを「ぼく」は知ります。

 王子の星は家ほどの大きさで、そこには3つの火山と、星を裂くほど巨大になるバオバブの芽と、よその星からやってきた種から咲いた1輪のバラの花があります。王子はバラの花を美しいと思い、大切に世話します。しかし、ある日バラの花とけんかしたため、他の星の世界を見ようと旅に出ます。王子は他の小惑星をいくつか訪れ、そこで自分の体面を保つことに汲々とする王、賞賛の言葉しか耳に入らない自惚れ屋、酒を飲むことを恥じてそれを忘れるために酒を飲む呑み助、夜空の星の所有権を主張してその数の勘定に日々を費やす実業家、1分に1回自転するために1分ごとにガス灯の点火や消火を行なっている点燈夫、自分の机を離れたこともない地理学者
などでした。6番目の星にいた地理学者の勧めで、王子は7番目の星、地球へ向かいます。

 地球の砂漠に降り立った王子は、まずヘビに出会います。その後、王子は高い火山と数千本のバラの群生に出会います。自分の星を愛し、自分の小惑星の火山とバラの花を愛おしく、特別に思っていた王子は、自分の星のものよりずっと高い山、自分の星のバラよりずっとたくさんのバラを見つけて、自分の愛したものはありふれたものであったと思い、泣きます。

 泣いている王子のところに、キツネが現れます。悲しさを紛らわせるために遊んで欲しいと頼む王子に、仲良くならないと遊べない、とキツネは話します。キツネによれば、「仲良くなる」とは、あるものを他の同じようなものより特別なものと考えること、あるものに他よりもずっと時間をかけ、何かを見るにつけそれを思い出すようになることだといいます。王子は、いくらたくさんのバラがあろうとも、自分が美しいと思い世話をしたバラは愛おしく、自分にとって一番のバラなのだと悟ります。

 キツネと別れるとき、王子は自分がキツネと「仲良く」なっていたと気が付きます。別れの悲しさを前に「相手を悲しくさせるのなら、仲良くならなければ良かった」と思う王子に、「黄色く色づく麦畑を見て、王子の美しい金髪を思い出せるなら、仲良くなったことは決して無駄なこと、悪いことではない」とキツネは答えます。別れ際、王子は「大切なものは、目に見えない」という「秘密」をキツネから知らされます。

 飛行機を修理しながら、こんな話を王子から聞いていた「ぼく」は、蓄えの水がなくなってしまいます。「井戸を探しに行こう」という王子に、ついて行った「ぼく」は、本当に井戸を発見します。王子と一緒に水を飲みながら、「ぼく」は王子から、明日で王子が地球に来て1年になると教えられる。王子はその場に残り、「ぼく」は飛行機の修理をするために戻っていった。

 翌日、飛行機が直り、「ぼく」は王子に知らせに行きます。王子はヘビと話をしていました。王子が砂漠にやってきたのは、1年前と星の配置が全く同じ時に、ヘビに噛まれて、身体を置いて自分の小惑星に帰るためでした。別れを悲しむ「ぼく」に、「自分は自分の星に帰るから、きみは夜空を見上げて、その星のどれかの上で、自分が笑っていると想像すれば良い」「そうすれば、君は星全部が笑っているように見える」と語ります。王子はヘビに噛まれて砂漠に倒れました。

 翌日、王子の身体は跡形もなくなっています。王子が自分の星に帰れたのだと「ぼく」は考え、夜空を見上げます。王子が笑っているのだろうと考えるとき、夜空は笑顔で満ちているように見えますが、王子が悲しんでいたらと考えると、そのうちのひとつに王子がいるであろういくつもの星々がみな、涙でいっぱいになっているように見えました。

参考文献

・ステイシー=シフ (著), Stacy Schiff (原名), 檜垣 嗣子 (翻訳)『サン=テグジュペリの生涯』

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