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泉鏡花『義血侠血』解説あらすじ

泉鏡花
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始めに

 泉鏡花『義血侠血』解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

泉鏡花の口語的世界

 泉鏡花は、尾崎紅葉の硯友社のメンバーで、そこから江戸文芸の戯作文学を参照しつつも、リズミカルな口語によって幻想的で性と愛を中心とする世界を描きました。

 江戸文芸にあった洒落本ジャンルは、遊郭における通の遊びを描くメロドラマでしたが、鏡花も洒落本を継承して、花柳界におけるメロドラマを展開しました。また読本的な幻想文学要素、人情本的な通俗メロドラマからも影響されて、幻想文学、メロドラマをものした鏡花でした。戯作文学の口語的な豊かな語りのリズムを鏡花は継承しました。

 本作は、全体的に洒落本的な遊女との恋愛を描き、人情本的な通俗メロドラマを展開する内容です。

 近松や西鶴の元禄文学とも重なる内容です。

すれ違いの悲劇

 本作は、村越欣弥と水芸人滝の白糸の悲恋を描く内容です。

 欣弥の向学の志を知った白糸は、持ち前の鉄火肌の義侠心から学資の提供を申し出て、欣弥もそれを受け入れます。しかし仕送りに窮し、白糸は金主から100円前借したものの、前借金を出刃打ち芸人に強奪され、白糸は富裕な老人夫婦宅に押し入り、現金を強奪して夫婦ともども殺してしまいます。結局白糸は罪を告白して死刑になり、学業を終え検事となって乗り込んできた欣弥も自殺するのでした。

物語世界

あらすじ

 越中高岡から倶梨伽羅下石動の建場までを走る乗合馬車の御者村越欣弥は人力車との駆け比べの挙句、行き掛かりで水芸人滝の白糸(水島友)と一頭の馬に相乗りします。

 数日後、金沢で興行していた白糸は浅野川の天神橋で、駆け比べが原因で馬車会社を首になった欣弥と再会します。欣弥の向学の志を知った白糸は、持ち前の鉄火肌の義侠心から学資の提供を申し出て、欣弥もそれを受け入れます。

 しかし、水芸人の収入が不安定なこともあって仕送りに窮し、白糸は金主から100円前借します。その前借金を出刃打ち芸人に強奪され、絶望した白糸は出刃打ちの残していった出刃で富裕な老人夫婦宅に押し入り、現金を強奪して夫婦ともども殺します。

 裁判では凶器の出刃が証拠になり、強盗殺人の犯人として出刃打ち芸人が疑われるものの、偶然学業を終え検事となって乗り込んできた欣弥の前で白糸は真実を告げ、死刑となります。

 その宣告のあった夕べに欣弥も自殺するのでした。

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