はじめに
泉鏡花『海神別荘』解説あらすじを書いていきます。
背景知識、語りの構造
泉鏡花の口語的世界
泉鏡花は、尾崎紅葉の硯友社のメンバーで、そこから江戸文芸の戯作文学を参照しつつも、リズミカルな口語によって幻想的で性と愛を中心とする世界を描きました。
江戸文芸にあった洒落本ジャンルは、遊郭における通の遊びを描くメロドラマでしたが、鏡花も洒落本を継承して、花柳界におけるメロドラマを展開しました。また読本的な幻想文学要素、人情本的な通俗メロドラマからも影響されて、幻想文学、メロドラマをものした鏡花でした。戯作文学の口語的な豊かな語りのリズムを鏡花は継承しました。
本作も、中国幻想文学(志怪小説、伝奇小説、白話小説)を思わせる、とくに伝奇小説を思わせる内容です。
異類婚姻譚
本作は異類婚姻譚です。
大正期、一人の美女が、人柱として海神の世継ぎの公子の妻となるべく使わされます。タイトルの由来でもある、美しい海神別荘内で美女は故郷を思い、公子の制止を振り切り陸へと戻ります。しかし陸ではすでに彼女は蛇となっており、家族や友人にも見分けられず、泣いて別荘へと帰ります。美女と海神は諍いになるものの、結局和解し、行く末を誓い合い、互いの血を杯にとって飲み干すのでした。
物語世界
あらすじ
大正期。
一人の美女が、人柱として海神の世継ぎの公子の妻となるべく使わされます。
美しい別荘内で美女は故郷を思い、公子の制止を振り切り陸へと戻ります。しかし陸ではすでに彼女は蛇となっており、家族や友人にも見分けられず、泣いて別荘へと帰ります。
泣き続け、公子を恨む美女に対し公子は怒りを覚え、斬ろうとします。公子は黒潮騎士に美女を殺すように命じますが、美女は公子自身の手で殺してほしいといいます。
公子が刀を振り上げると、その颯爽とした姿に見惚れた美女は自分は公子の気高さ、美しさを初めて見た、早く殺してほしいと微笑んで告げます。
それに公子は美女を許し、行く末を誓い合い、互いの血を杯にとって飲み干すのでした。




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