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シェイクスピア『テンペスト』解説あらすじ

シェイクスピア
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始めに

 シェイクスピア『テンペスト』解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

典拠

『テンペスト』の筋書きには種本はないものの、ウィリアム・ストレイチーの書簡の影響があるとされます。これはシー・ベンチャー号が1609年にバージニアへ航行中にバミューダ島で実際に難破した事件の目撃証言です。ストレイチーの報告は1625年まで出版されなかったものの、事件を記述した私信を見たとされています。

 ストレイチーの記録からの影響の度合いについてはかなり議論があり、一部には記録からの影響を疑う声もあります。

コンメディア=デラルテ

 『テンペスト』は、魔術師とその娘、その超自然的な従者、そして多くの田舎者が登場するため、伝統的なイタリアのコンメディア・デラルテから影響されているとされます。

 コンメディアには、ステファノとトリンキュロに似たアルレッキーノ(またはその前任者であるザンニ)という道化師とそのパートナーのブリゲッラ、キャリバンに相当する好色なナポリのせむし男などが登場します。

三一致の法則

 『間違いの喜劇』と同様に、『テンペスト』はおおむね時間、場所、行動の三一致の法則に従う内容です。

 3劇中の時間で1日のうちに、1つの場所で、1つの行為だけが完結するべきというのが三一致の法則で、シェイクスピアの作品はこれに従わないものが多いため、例外的作品です。

 三一致の法則は、古典主義演劇において重要と見られ、そこからフランス古典主義の方面からシェイクスピアをネガティブに捉える向きもあったものの、別にこの規則は名作の必要条件ではないため、その硬直化した運用はしばしば不合理な教条主義を招きます。そうしたことへの異議申し立てとして、スタンダール(『赤と黒』『パルムの僧院』)はシェイクスピアを評価してロマン主義を展開しました。

物語世界

あらすじ

 劇の舞台の12年前、元ミラノ公爵で優れた魔術師であったプロスペローは、ナポリ王アロンソの助けを借りた裏切り者の兄アントニオに王位を簒奪されます。幼い娘ミランダを連れて船で逃げたプロスペローは、孤島へと逃げ、ずっとそこで暮らしています。彼は魔法を使って、島の唯一の住人であるキャリバンに自分とミランダを守らせます。また、精霊アリエルを解放し、二人を奴隷とします。

 兄のアントニオを乗せた船が近くを通過すると、プロスペローはアリエルの助けを借りて嵐を起こし、船を破壊します。アントニオは、アロンソ、フェルディナンド (アロンソの息子で王位継承者)、セバスチャン (アロンソの兄)、ゴンサロ (プロスペローの信頼できる大臣)、エイドリアンたちと難破します。

 フェルディナンドはプロスペローとミランダに救出され、保護されます。プロスペローは若者をうまく操り、ミランダとの恋愛関係に持ち込みます。
 王の道化師トリンキュロと王の酔っぱらい執事ステファノがキャリバンと遭遇します。3人はプロスペロに対して「反乱」を起こすものの、失敗します。
 アロンソ、セバスチャン、アントニオ、ゴンサロ、および 2 人の従者領主 (エイドリアンとフランシスコ)のうち、アントニオとセバスチャンは、セバスチャンが王になれるようにアロンソとゴンサロを殺そうとしますが、プロスペロとアリエルが阻止します。

 その後、アリエルはハーピーの姿をとって、アントニオ、アロンソ、セバスチャンを苦しめ、やがて罪悪感から逃亡します。
 船長と甲板長、そして生き残った他の船員たちは魔法の眠りにつきます。

 プロスペローは、15歳になったミランダをフェルディナンドと結婚させようとしており、アリエルに他の精霊を連れてきて仮面劇を催させようとします。仮面劇には、古代の女神であるユノ、ケレス、イリスが登場し、婚約を祝福します。

 フェルディナンドとミランダがいなくなると、プロスペローはアリエルに貴族たちの陰謀に対処させます。その後、キャリバン、トリンキュロ、ステファノは猟犬の姿をしたゴブリンに沼地へ追い払われる。

 プロスペローは、目的を達成したらアリエルを解放し、魔法を放棄すると誓い、こう言います。

 アリエルはアロンソ、アントニオ、セバスチャンを連れてきて、プロスペローは3人を許します。プロスペローの以前の称号であるミラノ公爵が復活します。アリエルは船員たちを船から連れ出し、次にキャリバン、トリンキュロ、ステファノを連れてきます。キャリバンは後悔しており、善良になることを約束します。ステファノとトリンキュロはプロスペローに嘲笑され、追い払われます。

 再会した一団(ミランダとプロスペローを加えた貴族全員)が島を離れる前に、アリエルは天候に恵まれて王の船を王家の艦隊に戻し、その後フェルディナンドとミランダが結婚するナポリまで導くように指示されます。その後、アリエルは解放されます。

 最後にプロスペローは観客に拍手で彼を解放するよう求めます。

参考文献

・高橋 康也 (編集)『研究社シェイクスピア辞典』

・倉橋健 編『シェイクスピア辞典』

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