始めに
シェイクスピア『ロミオとジュリエット』解説あらすじを書いていきます。
背景知識、語りの構造
下敷きとなった作品
ロミオとジュリエットの物語は、民間伝承や神話が蓄積して形成されました。『ピュラモスとティスベ』など、さまざまな神話が原型になって、ロミオとジュリエットの物語の原型が形成されていき、アーサー=ブルック『ロミウスとジュリエットの悲しい物語』もそんな中で書かれて、これが直接の創作の背景になっています。
『ロミウスとジュリエットの悲しい物語』も大まかなプロットは同じで、2つの勢力に割かれたロミウスとジュリエットの恋愛と、薬で偽装した死を誤解してロミウスが自殺、ジュリエットも後を追う、という流れは共通です。
他方で『ロミウスとジュリエットの悲しい物語』では、二人の計画に手伝った者たちは殺人者として逮捕され、ロミウスの手記などによって修道士ロレンスは無罪放免となるものの、ジュリエットの乳母は追放され、薬剤師は絞首刑になります。三人がそれぞれ辿る運命が印象的なラストで、この要素はシェイクスピアのものからオミットされています。
恋愛劇としての特徴
シェイクスピアの多くの作品がそうですが、すれ違いや誤解が作品のモチーフとなっています。すれ違いが重なる中で結末が展開されるというプロットは喜劇作品とも共通します(『間違いの喜劇』)。
二つの勢力を背景にする中での恋愛劇としてのデザインは『トロイラスとクレシダ』とも共通します。
また謀略や計略を働かせる中ですれ違いが起こるというプロットも、多くの作品(『から騒ぎ』)と共通します。
物語世界
あらすじ
イタリアの都市ヴェローナ。モンタギュー家(モンテッキ家)とキャピュレット家(カプレーティ家)は代々対立しています。
モンタギュー家の一人息子ロミオは、ロザラインへの片想いに苦しんでいる。気晴らしにと、友人達とキャピュレット家のパーティに忍び込んだロミオは、キャピュレット家の一人娘ジュリエットに出会い、相愛になります。二人は修道僧ロレンスの元で結婚し、ロレンスはこの結婚が、両家の争いに終止符を打つのを期待します。
しかしロミオは友人と街頭での争いに巻き込まれ、親友マキューシオを殺さレ、ロミオはキャピュレット夫人の甥ティボルトを殺します。このことからヴェローナの大公エスカラスは、ロミオを追放の罪にします。キャピュレットはジュリエットに、大公の親戚のパリスと結婚する事を命じます。
ジュリエットに助けを求められたロレンスは、彼女をロミオに寄り添わせるべく、仮死の毒を使った計略を立てます。しかしこれはロミオに伝わらず、ジュリエットが死んだと思ったロミオは、彼女の墓参りに来たパリスと決闘し殺し、彼女の墓の側で毒薬を飲んで自殺します。仮死状態から目覚めたジュリエットも、ロミオの短剣で後追い自殺をします。これを受けて両家は、ついに和解します。
参考文献
・高橋 康也 (編集)『研究社シェイクスピア辞典』
・倉橋健 編『シェイクスピア辞典』




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