始めに
シェイクスピア『から騒ぎ』解説あらすじを書いていきます。
背景知識
典拠
出典は、フランソワ・ド・ベルフォレストによるマントヴァのマッテオ・バンデッロの作品とされます。アラゴン王ピエール3世がアンジュー公シャルルを破った後、メッシーナでティンブレオ卿と婚約者のフェニシア・リオナータの受難が描かれます。
恋人のアリオダンテとジネヴラが登場し、バルコニーで召使いのダリンダがジネヴラになりすます『狂えるオルランド』もあり、ここからも影響が見えます。
エドマンド・スペンサーは『妖精の女王』の影響も見えます。
大まかなプロット
物語は二組の恋人(ベネディックとベアトリス、クローディオとヒーロー)が中心で、それを裏で干渉しようとするのが悪役のドン=ジョンや、善玉のペドロらで、策略を巡らせカップルを破局させようとしたり接近させたりしようとします。
ベネディックとベアトリスが策略にかかって互いに対する愛を告白するようになる一方、クローディオが恋人ヒーローを不実だと思い込んで結婚の祭壇で拒絶します。
物語世界
あらすじ
シチリア島メッシーナの知事レオナートの屋敷にアラゴン大公ドン・ペドロ一行が到着します。クローディオ伯爵はレオナートの一人娘ヒーローに一目惚れします。
独身主義者ベネディックはレオナートの姪ベアトリスと口喧嘩をします。ボラチオはヒーローの小間使いに色目を使います。ペドロの異母弟ドン・ジョンは不機嫌そうにしています。
純真なクローディオが恋を打ち明けられずにいるのを知ったペドロは一計を案じ、仮面舞踏会でクローディオになりすまし、ヒーローに求婚することにします。それを立ち聞きしたボラチオがドン・ジョンに報告すると、兄を憎むジョンはその企てを破綻させようとし、ドン・ペドロ本人がヒーローに求婚しているとクローディオにウソを伝えますが、誤解は簡単に解け、クローディオとヒーローは一週間後に結婚します。
ドン・ペドロはベネディックとベアトリスの縁結びを目指し、ヒーローたちも協力します。わざとベネディックが立ち聞きしているところで、ベアトリスはベネディックに恋しているために悪態をつくのだ、という話をしてみせると、ベネディックはベアトリスを愛してしまいます。ベアトリスもベネディックが自分を愛していると思い込み、ベネディックに惹かれます。
ドン・ジョンに、ボラチオが新たな作戦をもちかけます。小間使いマーガレットを使ってヒーローが浮気をしているように見せかけて、クローディオに目撃させようとはかります。そしてクローディオとドン・ペドロは、ヒーローの部屋から出てきたマーガレットが他の男と会っているところを目にして、マーガレットをヒーローと勘違いします。
翌日、結婚式の前にドグベリーが知事のレオナートに報告をするものの、緊張して間違えすぎてしまいます。結婚式でクローディオはヒーローを不実であると批判、レオナートやベアトリスが宥めようとするものの、ヒーローは失神し、クローディオは立ち去りますが、ベネディックや司祭は訝しみます。
司祭はここで、ヒーローが失意から死んだことにすれば、クローディオのかつての愛情が戻るのではないか、と考えます。ベアトリスとベネディックは結婚式での出来事について言葉をかわし、愛を確認します。ベアトリスは名誉のためクローディオを殺してくれとベネディックに頼み、ベネディックは拒絶します。レオナートやアントニオはクローディオに対してヒーローの死の責任があると伝え、決闘を挑みます。ベネディックもクローディオに決闘を申し込みます。
ボラチオは、仲間に計略のことを話していて夜警に聞かれて逮捕されます。ドグベリー治安官たちが拷問すると、ボラチオの背後にはドン・ジョンがいると話します。
ボラチオ逮捕で動揺し、ドン・ジョンは逃げ出します。クローディオは、すべてドン・ジョンの陰謀だったと知り、決闘は回避されます。レオナートから娘を殺したのはクローディオだと責められ、自身の罪を悟ったクローディオはレオナートから、ヒーローの無実を世間に知らせて墓前に弔うことと、ヒーローにそっくりの姪と結婚して跡を継ぐことを求められ、受け入れます。
偽りの葬儀の翌朝、結婚に臨むクローディオの前にヒーローが現れます。ベネディックもベアトリスに求婚します。喜ぶ一同のもとに、捕らえられたドン・ジョンが引き出されます。
参考文献
・高橋 康也 (編集)『研究社シェイクスピア辞典』
・倉橋健 編『シェイクスピア辞典』



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