PR

プーシキン『大尉の娘』解説あらすじ

プーシキン
記事内に広告が含まれています。

始めに

 プーシキン『大尉の娘』解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

ロマン主義

 ホメロス、ウェルギリウスなどのギリシア・ローマ文学、タッソー、ラブレー(『ガルガンチュアとパンタグリュエル』)などルネサンス文学、ラシーヌ、コルネイユ、モリエール、ヴォルテールなどの古典主義、ルソーのロマン主義に早くから親しみ、ロマン主義を展開したプーシキンです。

 中途からシェイクスピアの研究をも始め、影響を受けました。本作もシェイクスピアの歴史劇のように、歴史的人物と架空の人物の物語をうまく絡ませて物語を展開しています。

 こうした歴史上の人物をオリジナルの人物と絡ませる手法はシェイクスピアのフォロワーのウォルター=スコットの影響も見えます。

プガチョフの乱

 本作の背景になるプガチョフの乱は、ロシアのヴォルガ川=ウラル川流域で1773年から1775年に発生した大規模な農民の反乱です。

 プガチョフの乱に興味を持っていたプーシキンは、『大尉の娘』起稿後、帝国軍書庫での資料検分、反乱がオレンブルクやオラルなどでの取材を重ね、研究論文『プガチョフ史』などが書かれています。『大尉の娘』は、それから3年以上かけて創作されました。

 『大尉の娘』はプガチョフの乱を背景にして、そのなかで主人公ピョートルと大尉の娘のマーシャ、マーシャを狙うシュヴァブリンの三角関係を描きます。

 また実際にプガチョフの乱でプガチョフ一派の捕虜となった貴族の士官ミハイル=シヴァンヴィチ少尉の存在が本作の背景と言われ、捕らえられたシヴァンヴィチは、プガチョフ一派の通訳として働きました。

物語世界

あらすじ

 ピョートル=アンドレイイチ=グリニョフは、退役した帝国陸軍将校の唯一の生き残りの子供です。ピョートルが17歳になると、父親は彼をオレンブルクの兵役に送ります。道中、ピョートルは吹雪で道に迷うものの、謎の男に助けられます。感謝の印として、ピョートルは案内人に野兎の毛皮のコートを渡しました。

 オレンブルグに到着したピョートルは、イワン=ミロノフ大尉の指揮下にあるベロゴルスキー要塞での任務に就くよう命じられます。この「要塞」は村を囲む柵に過ぎず、大尉の妻ヴァシリサが指揮を執っています。

 ピョートルは、決闘で相手が死亡してここに追放されていた同僚の将校シュヴァブリンと親しくなります。ピョートルがミロノフ家と食事をしたとき、ミロノフ家の娘マーシャと出会い、恋に落ちます。これが、マーシャに断られたシュヴァブリンとピョートルの間に波紋を生みません。シュヴァブリンがマーシャを侮辱すると、ピョートルとシュヴァブリンは決闘し、ピョートルは負傷します。ピョートルは、マーシャとの結婚の許可を父親に求めるものの、拒否されます。

 その後間もなく、要塞は皇帝ピョートル3世を名乗る反乱軍エメリヤン=プガチョフに包囲されます。要塞に駐留していたコサックはプガチョフの軍に寝返り、要塞は簡単に占領されます。プガチョフはミロノフ大尉に忠誠を誓うよう要求するものの、拒否されると大尉を絞首刑にし、その妻を殺害します。ピョートルの番になると、シュヴァブリンも寝返って、彼の助言に従ってプガチョフはピョートルを絞首刑にするよう命じます。しかし、プガチョフは吹雪からピョートルを救出した男であることが判明し、プガチョフはピョートルを認識し、助けられます。

 翌日の夕方、ピョートルとプガチョフは二人で話をします。ピョートルはプガチョフに仕えられないお真摯に主張し、プガチョフに感銘を与えます。プガチョフはピョートルをオレンブルクに行かせようとします。ピョートルはプガチョフがオレンブルクに進軍してくるというメッセージを知事に伝えます。

 砦はシュヴァブリンの指揮下に残され、シュヴァブリンはこの状況を利用してマーシャに結婚を迫ります。ピョートルは阻止しようと急いで出発するものの、プガチョフの軍隊に捕らえられます。プガチョフに状況を説明した後、二人は砦へと馬で出発します。

 マーシャが解放された後、彼女とピョートルは父の領地へ向かうものの、ロシア帝国軍に阻止されます。ピョートルは軍に残ることを決め、マーシャを父の元へ送ります。プガチョフとの戦争は続き、ピョートルは軍に復帰します。

 プガチョフが敗北すると、ピョートルはプガチョフと親しかったとしえ逮捕された。尋問中、シュヴァブリンはピョートルが裏切り者だと証言します。マーシャを法廷に出すことを望まないピョートルは、告発を否定できず、死刑となります。結局エカチェリーナ2世は死刑を減刑したものの、ピョートルは囚人のままです。

 マーシャはピョートルがなぜ自己弁護できなかったかを理解し、サンクトペテルブルクへ行って皇后に嘆願書を提出しようとします。ツァールスコエ=セローで、彼女は宮廷の女性と会い、ピョートルに代わって皇后に会う計画を話します。女性は最初、ピョートルは裏切り者だと断りますが、マーシャはすべての状況を説明できるといいます。

 すぐにマーシャは皇后に会うようにという招待状を受け取り、それが先ほど話した女性だと気づきます。皇后はピョートルの無実を確信し、釈放を命じます。

 ピョートルはプガチョフの斬首を目撃しました。やがて彼とマーシャは結婚します。

参考文献

・池田健太郎『プーシキン伝』

コメント

タイトルとURLをコピーしました