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魯迅「阿Q正伝」解説あらすじ

魯迅
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始めに

魯迅「阿Q正伝」解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

ロマン主義、写実主義

 魯迅は武者小路実篤、バイロン、トウェイン、エロシェンコ、トルストイ、フローベール、ドストエフスキーなどからの影響があり、傾向としてはロマン主義や写実主義に影響を受けました。

 トルストイなどロシアの作家は、西洋諸国の先進的な文化と自身のコミュニティの相対的な後進性のなかで、自国の民衆を縛る因習や慣習を批判的に描きましたが、本作も同様のイズムです。

 また本作もドストエフスキー『罪と罰』『悪霊』のような、革命思想のなかでの悲劇を描きます。とはいえ保守主義者であるドストエフスキーとちがって、魯迅は進歩的な知識人です。

 魯迅は中国の社会改革と革命を志し、文筆を通じ中国人民の精神を啓発しようとしていましたが、魯迅は本作で、権威には従順でありつつ弱いものいじめで、現実の惨めさを誤魔化して選好や信念を適応させる植民地の奴隷根性を批判的に描きました。

成立背景

 魯迅は日本に留学し、仙台医学専門学校で解剖学を学んでいました。ある日、教室で日露戦争の記録映画が上映され、その中にロシア側のスパイ容疑で日本軍に捕まった中国人が銃殺され、刑場の周囲で同胞の銃殺に喝采する中国人民に、魯迅は衝撃を受けたのでした。

 物語の最後で、無実の罪で処刑される阿Q、その死にざまに不平を述べる観衆たちの描写はこうした背景があります。

物語世界

あらすじ

 清から中華民国へ変わろうとする辛亥革命の時期、中国のある小さな村に、本名すらはっきりしない、村の半端仕事でその日暮らしをする日雇いの阿Qという男がいました。

 阿Qは、働き者といわれるものの、家も金も女もなく、字も読めず容姿も不細工なので、閑人たちに馬鹿にされる村の最下層の立場にありました。そして「精神勝利法」とする独自の思考法を頼りに、閑人たちに罵られたり、日雇い仲間との喧嘩に負けても、結果を都合よく解釈して自分の勝利と思い込むことで、高いプライドを守っています。

 ある日、阿Qは村の金持ちである趙家の女中に言い寄ろうとして逃げられ、趙の旦那の怒りを買って村八分になり、仕事に困ります。そこで盗みを働き、逃亡同然の生活を続けるうちに、革命党が近くの町にやってきたため、意味もわからず「革命」に便乗し、革命派の趙家略奪に関与した無実の容疑で逮捕されます。

 無知のため弁明も出来ず、阿Qは流されるままに刑場に引き出され、銃殺されます。集まった見物人たちは、銃殺は斬首より見栄えがしないなど、不満を述べたてます。

参考文献

・小山三郎 (著), 林田愼之助 (監修)『人と思想 魯迅』

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