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ゴンチャロフ『オブローモフ』解説あらすじ

ゴンチャロフ
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始めに

 ゴンチャロフ『オブローモフ』解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

写実主義

 ゴンチャロフはマイコフ家と親しくなり、マイコフ家のエリート文学サークルのメンバーとなり、イワン=ツルゲーネフ、フョードル=ドストエフスキー、ドミトリー=グリゴローヴィチなどの作家が参加していました。

 ドストエフスキーには才能を認められ、似たような写実主義を展開しました。

語りの構造

 オブローモフの語り手は異質物語世界の語り手です。しかしこの語り手はしだいに中立性を失い、登場人物を批判し始めたりして、等質物語世界の語り手のようになっていきます。

 語り手は道徳的傾向を持っています。ゴンチャロフ自身の分身のようでもありますが、そうとも言い切れない部分が大きいです。

 異質物語世界の語り手ですが、等質物語世界の語り手のような個性を持った語り手です。

オブローモフ主義

 ニコライ=ドブロリュボフ「オブローモフ主義とは何か?」という論文がよく知られ、これは本作と当時のロシアのインテリゲンツィアを引き付けて語るものです。教養のある貴族インテリゲンツィアが、高い理想を口にしながら自らは行動せず、無関心かつ怠惰でいることをオブローモフ主義と呼んで批判しました。ドブロリュボフは社会主義者で、その理想の妨げになる存在としてオブローモフ主義を批判しました。

 ただあくまでも、それはドブロリュボフによるイデオロギー批評みたいな感じなので、オブローモフは作品の中でそう否定的に描かれているわけでもありません。

オブローモフの性格

 オブローモフの怠惰で内向的な性格は、少年時代に由来します。オブローモフは子供の頃、働いたり家事をしたりすることを求められたことはなく、両親は休暇や旅行、あるいは些細な理由でオブローモフを学校を休ませました。対照的に、ドイツ人の父とロシア人の母の間に生まれた親友のアンドレイ=シュトルツは、厳格で規律正しい環境で育ち、献身的で勤勉です。

 二人の性格的な違いは、世代や階級よりも、個々の家庭の気風に由来するものです。作品でオブローモフが自らの死因としたオブローモフ気質とは、この家風に言及するものです。

 オブローモフは怠惰で内向的ですが、心は純粋で善良で、才能にも満ちています。

物語世界

あらすじ

 イリヤ=イリイチ=オブローモフは上流中産階級の一員で、19 世紀ロシアの地主貴族の息子です。オブローモフは、人生に対する極端な怠惰を持っています。

 ある朝、オブロモフは田舎の屋敷、オブロモフカの管理人から手紙を受け取り、財政状況が悪化しており、重要な決断を下すためにそちらへ向かわないといけないと説明を受けます。しかし、オブロモフは寝室から出ることを嫌がり、ましてや田舎へ 1000 マイルも旅するのは嫌でした。

 オブロモフは眠り、オブロモフカで育ったころの夢をみます。オブローモフは働いたり家事をしたりすることを求められたことはなく、両親は休暇や旅行、あるいは些細な理由でオブローモフを学校から引き離すことも多かったのでした。対照的に、ドイツ人の父とロシア人の母の間に生まれた友人のアンドレイ=シュトルツは、厳格で規律正しい環境で育ち、献身的で勤勉です。

 ストルツはオブローモフを眠りから起こします。やがてストルツはオブローモフを若い女性オルガに紹介し、2 人は恋に落ちます。しかし、オブローモフの無関心と行動への恐れは大きく、オブローモフが結婚式を延期し続け、自分の身辺を整理することを避けていることが明らかになると、オルガは婚約を破棄します。

 オブロモフは、「友人」であるタランテエフと、家主のアガフィアの兄弟であるイワン=マトヴェイエヴィッチに何度も騙され、ストルツはそのたびに助けます。オブロモフは、タランテエフとイワン=マトヴェイエヴィッチに脅迫されて田舎の屋敷からの収入をすべて奪われ、極貧生活を送ります。この状態は 1 年以上続きますが、ストルツが事態に気づき、イワン=マトヴェイエヴィッチのことを上司に報告します。一方、オルガはロシアを離れ、パリを訪れ、街でストルツに偶然出会います。2 人は恋に落ち、結婚します。

 オブローモフもタランテエフの振る舞いがついに我慢できなくなり、オブローモフは彼に立ち向かい、平手打ちをし、ついには家から追い出します。

 死の直前、ストルツが彼を訪ねます。ストルツは妻に、オブローモフを社会に戻そうとする最後の試みをすると約束していました。この訪問中に、ストルツは、オブローモフが未亡人の家主アガフィア=マトヴィエヴナと結婚し、ストルツにちなんでアンドレイと名付けられた子供をもうけたことを知ります。やがてストルツは、もはやオブローモフを改心させる望みはないことを悟り、家を出ました。

 オブローモフは、第二のオブローモフカで残りの人生を過ごし、子供の頃と同じように、アガフィア=マトヴィエヴナに世話され続けます。アガフィアは彼の好きな料理を作ることができ、家事をし、オブローモフが心配をしないように心がけます。

 オブローモフは既に自分の運命を受け入れており、自分の死の本当の原因は「オブローモフ気質」だと語ります。オブローモフは眠っている間に亡くなり、ついに永遠の眠りに就きたいという願いを叶えます。

 オブローモフの死後、ストルツが彼の息子を養子としたのでした。

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