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シャーロット=ブロンテ『ジェーン=エア』解説あらすじ

シャーロット=ブロンテ
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始めに

 シャーロット=ブロンテ『ジェーン=エア』解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

ロマン主義

 ブロンテ姉妹は、イギリスのロマン主義を代表する作家です。

 シェイクスピア、バイロン、スコット、ワーズワースなどのロマン主義からそのロマン主義を形成していきました。

 マイノリティーである女性の視点から、その心理や主体的な行動を描くリアリズムがシャーロットの作風です。

 またホフマンのロマン主義、幻想文学の影響も顕著で、本作もゴシック文学風味の演出が垣間見えます。

語りの構造

 本作は等質物語世界の、いわゆる一人称の語り手として主人公のシャーロットを設定しています。

 シャーロットは女性というマイノリティとして、一人の個人としてのありかたに悩みます。キリスト教的道徳の支配的ななかで、妻のあるロチェスターとの不倫の恋に悩みます。

 モラルと主体性の間で悩み続け、最後には妻を亡くして重傷を負ったロチェスターと一緒になるという人生の答えをジェーンは導き出します。

キャラクターのモデル

 ジェーンがローウッドという寄宿学校に送られる最初の展開は、シャーロット自身の体験に基づいています。ヘレン=バーンズの結核による死は、シャーロット=ブロンテの姉妹エリザベスとマリア(特にマリア)の死が背景にあります。2人はランカシャー州タンストール近郊のコーワン=ブリッジにある聖職者娘学校の不衛生が原因で、結核で亡くなります。

 ミスター・ブロックルハーストは、この学校を経営していた福音派の牧師ウィリアム=カーラス=ウィルソン牧師がモデルです。

 さらに、ジョン=リードがアルコール依存症に陥り、破滅するのは、死ぬ前の数年間にアヘンとアルコール中毒になったシャーロットの兄ブランウェルと重なります。

ゴシック文学

 本作はゴシック文学からの影響が顕著です。イギリスの作家ホレス=ウォルポールの『オトラント城奇譚』(1764年)がゴシック小説の先駆となり、以降流行になりました。ウォルポールは別荘のストローベリ=ヒル=ハウスを改築して中世ゴシック風のゴシック=リバイバル建築にし、自分の夢をもとに中世の古城を舞台にした幻想的な小説『オトラント城奇譚』を書いて、古典主義建築や中世趣味など、ゴシック=リヴァイヴァルとブームを生みました。

 本作も舞台としてゴシック様式の荘園であるソーンフィールド=ホールを描きます。

 ソーンフィールド=ホールは、ダービーシャーのピーク=ディストリクトにあるハザーセージ近郊のノース=リーズ=ホールとされます。ここは1845年の夏にシャーロットと友人のエレン=ナッシーによって訪問されています。最初の所有者であるアグネス=アシュハーストは、狂人として2階の防音室に監禁されたとされ、本作との共通性を匂わせます。

人種差別?

 ヒロインのジェーンの恋するロチェスター氏は、西インド諸島で育ち、混血の血統と思われる狂ったクレオール人の妻を無理やり迎え入れたとされます。

 この狂った妻の描写ですが、人種差別を読み取られやすく、なぜかというと、黒人の血と狂気が関連付けて語られることはしばしば当時からあったからです。黒人の血を引いているために不完全な精神をもっている女性として、妻が描かれている可能性もあります。

 他方で、人種とか関係なく、単に境遇や環境がそうさせているようにも読み取れます。

物語世界

あらすじ

 ジェーン=エアは孤児となり、リード夫人とその子供達から差別されて育ちます。

 10歳になった頃、寄宿学校ローウッド学院に送られ、そこで優しいテンプル先生やヘレン=バーンズと出会う。ヘレンの信仰心と寛大さに尊敬を抱くようになるものの、ローウッドでは衛生の問題からチフスが大流行し、ヘレンは結核で死亡します。後にローウッド学院は衛生面の劣悪さが世間に暴かれて改善されます。

 生徒として6年間、教師として2年間ローウッドで過ごした後、ジェーンはソーンフィールド邸で家庭教師となります。そこで当主ロチェスターとの身分を超えた恋愛を経験し結婚を申し込まれるものの、結婚当日になって狂人の妻の存在が判明します。当時の法律ではキリスト教のために重婚は厳罰で、ジェーンは神に救いを求め、神が与え人間が認めた法や道徳は誘惑がないときにあるものではないと彼を諭し、一人ソーンフィールドを去るのでした。

 路頭に迷っていたところを牧師セント=ジョンとその妹、ダイアナとメアリーに助けられ、その家へ身を寄せます。しばらくしてジョンとその妹がジェーンのいとこであることが判明し、1年間をともに過ごして勉学に励みます。

 セント=ジョンに神の僕として宣教師の妻になりインドへ同行することを求められます。彼には恋愛感情がないことを知って、深く苦悩します。信仰心からジョンの申し出を受けようとするものの、嵐に紛れて頭の中にロチェスターが呼ぶ声を聞き、ジョンを拒んで家を出ます。

 その後旅館の主から火事でロチェスター夫人が亡くなり、ロチェスターも片腕を失って盲目になったと知ります。ロチェスターを訪ね、財産も年齢も健康も愛の前には障害でないと彼を諭し、結婚することを誓って結婚式を挙げました。

参考文献

・青山 誠子 (著)『ブロンテ姉妹』

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