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ジッド『田園交響楽』解説あらすじ

ジッド
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始めに

 ジッド『田園交響楽』解説あらすじを書いていきます。

背景知識、語りの構造

ロマン主義、象徴主義、モダニズム

 ジッドはゴーティエ、ハイネを愛読し、ロマン主義に影響されました。また古典主義者のピエール・ルイスと知り合い文学的に影響し合いました。

 やがてルイスを通じてポール・ヴァレリーと知り合い、またステファヌ・マラルメの「火曜会」に出入りします。ここから『贋金つかい』など、マラルメ、ヴァレリー風の形式主義的実験を展開していきました。

ジッドとキリスト教

 父ジャン・ポール・ギヨーム・ジッドは南仏ユゼス出身でプロテスタントの家系、パリ大学法学部教授をつとめました。母ジュリエットは北仏ルーアン出身の裕福な織物業者ロンドー氏の娘でした。

 プロテスタントの父の下に育ったジッドは幼い頃からプロテスタントの厳格な教育を受けます。そして宗教を体に染み込ませられる中で、自身の性的指向との間で悶えるようになります。

 キリスト教から同性愛についての見解は、教派、教役者、聖職者によって異なりますが、それを罪とする立場がかなり広く見られます。このためジッドは自身のキリスト教とセクシャリティの間で悩みました。

 本作が描くのも、キリスト教による人間の疎外のテーマです。

盲目

 本作では盲目というモチーフが設定されています。主人公の牧師が養子にしたガートルードは、盲目で目が見えません。

 彼女が盲目であるのに加えて、主人公の牧師も、ガートルードへの執着に対して盲目で、またキリスト教に対しても盲目で、ガートルードの純潔を守ろうとします。

 そしてガートルードは盲目であったものの、手術で見えるようになったとき、悲劇が起こってしまいます。ガートルードは自分が恋していたと思っていたのは老人で、自分は本当はジャックという青年に恋していたことに気が付きます。しかしジャックはガートルードへの愛を捨てて修道士になり、ガートルードは自殺未遂から肺炎になり、亡くなります。

物語世界

あらすじ

 牧師は盲目の少女を養子に迎え、娘のシャーロットが「ガートルード」と名付けます。 

 牧師はガートルードにベートーベンの第 6 交響曲 (田園交響曲としても知られる)をきかせたり、ガートルードと交響曲を協奏したりします。

 妻のアメリーは、牧師が 5 人の実子よりもガートルードに気を配っていることに憤慨しています。彼女は、牧師のガートルードに対する感情の本質に気付くよう促そうとします。牧師もガートルードと同じく、どこか盲目なのでした。信心深い牧師は聖書を非常に真剣に受け止め、罪の概念からガートルードを守ることで彼女の純潔を守ろうとします。

 牧師はガートルードの狭い世界の中での中心なのでガートルードは牧師に恋をしていると感じ、牧師もある程度はガートルードに同じ感情を抱いています。ガートルードと同い年の長男ジャックがガートルードに結婚を申し込むと、牧師は嫉妬してそれを拒否します。

 ガートルードはやがて手術で視力を取り戻し、自分が牧師ではなくジャックを愛していることに気づくきます。しかし、ジャックは彼女への愛を捨て、カトリックに改宗して修道士になります。

 ガートルードは川に飛び込んで自殺を図るものの失敗し、助けられるものの肺炎になります。彼女は牧師が老人であること、そして自分が盲目だったときに思い描いていた男性がジャックであることに気がつきます。彼女は死の直前に牧師にそのことを告げるのでした。

参考文献

・クロード=マルタン『アンドレ=ジッド』

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